KDDIがauブランドの2009年夏モデルとして発売した携帯電話機「SOLAR PHONE SH002」。この端末の特徴である,太陽電池モジュールの充電機能の使い勝手を一通り確かめた日経エレクトロニクス分解班(分解記事その2)。まずは,太陽電池モジュールを搭載する表示部の分解に取り掛かる(図1)。
SH002は特徴の一つとして,IPX5/IPX7相当の防水機能を備えている。このため,通常の携帯電話機に比べて分解するのが困難だと予想される。表示部の筐体はネジ止めされておらず,両面テープを用いて筐体とカバーを張り合わせている。筐体と背面カバーの間にマイナス・ドライバを差し込んでいくと,太陽電池モジュールが顔を出した(図2)。
続いて,筐体から太陽電池モジュールを取り外す。太陽電池モジュールは1.1型のモノクロ電子ペーパーとともに,フレームに固定されている(図3)。太陽電池モジュール裏側には接地用とみられる電極があり,フレーム裏側の金属と接続されていた。太陽電池モジュールは電磁雑音が発生しやすいのかもしれない(図4)。
さらに,太陽電池モジュールをフレームから取り外す。この太陽電池モジュールは外形寸法は67.5×41.0×0.8mmで重さは約4g(図5)。裏側には製造メーカーを示す「SHARP」と,型番を示す「LR0GC01」の刻印があった(図6)。シャープが2009年5月に発表した携帯機器向けの太陽電池モジュール「LR0GC02」と,外形寸法は同一だが型番が異なっている(Tech-On!の関連記事)。LR0GC02については,「SH002に搭載するモジュールと仕様面はほぼ同じだが,今回の開発品ではない」(シャープ)としていた。加えて,「モジュール表面の電極パターンを変更することも可能」(同社)であるため,電極構造などが若干異なるのかもしれない。
なお,筐体と液晶パネル側のカバーも両面テープで強力に固定されていた(図7)。防水機能を実現するには(1)両面テープと(2)防水パッキンを用いる二つの手法が一般的だ。両面テープを用いると,「水などの浸入を防ぐ効果が高いが,故障時などにリワークが難しくなる」(国内の携帯電話機メーカーの技術者)という。
――次回に続く――
(日経エレクトロニクスは2009年6月29日号に,「SOLAR PHONE SH002」の分解記事を掲載する予定です)